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“ボランティアとプロのチャリティフレンドリーゴルフ大会”に参加した川岸良兼は「ボランティア返しだよ」

いまでは、ゴルフトーナメントの成功に欠かすことができないのが、ボランティアスタッフのみなさんのサポートだ。昨年ツアーの年間のべ参加数は約1万5000人。中には、年間とおして15試合以上も参加くださっている方もいて、暖かい無償の輪は、年々大きな広がりを見せている。

さらにその中から、試合のないこのシーズンオフにもプロとの親交を深め、自らが楽しみながら、同時に社会貢献活動をしていこう、との声が高まった。その一環でこのたび開催されたのが、今回の『チャリティフレンドリーゴルフ大会』。ボランティアスタッフのみなさんと、プロが集まってのゴルフコンペは、これが初の試みだった。

晴天に恵まれた1月19日(月)、大会の趣旨に賛同したボランティアのみなさん103人とプロ37人が、会場の兵庫県・小野グランドカントリー倶楽部で和気あいあいと歓声をあげた。

開催コースの関係で、ほとんどが地元・関西の選手たちだったが、中には福岡からわざわざ駆けつけた藤池昇龍や、横浜から参加した川岸良兼などの顔もあった。川岸は昨年12月、発起人で実行委員長の柴田英雄・淳子夫妻からの参加の呼びかけに、二つ返事で応じた。

「生きていても仕方ない」とまでこぼした2001年はシード落ちを喫しただけでなく、出場優先順位を決めるファイナルQTにも失敗し、ツアー出場の道さえ閉ざされた。失意の川岸に、二部ツアーのチャレンジトーナメント会場などで機会あるごとに声をかけ、励ましてくれたのがボランティアの柴田夫妻だったのだ。

今大会の参加にあたり、交通費、宿泊費は選手の自己負担となるが、夫妻の人柄に惚れこむ川岸は「そんなことは大したことじゃない。いわば、僕からの“ボランティア返し”だよ」。これが絶好の恩返し、と考えたのだった。川岸のほかにも、高橋勝成や山本善隆など、関西のトッププレーヤーたちが勢揃いし、日ごろのお返しとばかりに、ラウンド中はボランティアのみなさんに手取り足取り指導するなど終始和やかムード。

コースのあちこちでゴルフ談義もにぎやかに弾み、試合中とはまた違った選手の素顔に、ボランティアのみなさんには大満足の1日だったようだ。

写真上=横浜の自宅から、前日のうちに会場入りした川岸。大会の翌日20日には、師匠・ジャンボ尾崎のオフ合宿に参加する予定という。その前にボランティアのみなさんと、和やかなひとときを・・・。

写真中=川岸がどん底のとき、「いつも明るく励ましてくれた」のが柴田淳子さん(=左)。ツアープレーヤーたちの多くがそうであるように、川岸も淳子さんのことを親しみをこめて「ツアーのおかあさん」と呼んでいる。

写真下=地元・関西出身の中村通(左から2番目)も参加。親切丁寧な即席ラウンドレッスンが好評だった。

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