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ダンロップフェニックストーナメント 2004

トッド・ハミルトン、カルロス・フランコ、K・J・チョイ…日本ツアーから世界進出を果たしたあの選手たちが帰ってくる!

全英オープンチャンピオン、トッド・ハミルトン
いずれは、USPGAツアーへの参戦を目標に、はるばるわたってきた日本ツアー。シード入りした92年から順調に勝ち星を重ねてきたが、その歯車がふいに狂いだしたのは、99年からだった。

「いちど成功して頂点を知り、良い思いをした人間がちょっとの食い違いでうまくいかなくなったとき、その苦しみは、倍以上に感じるものなんです」と言ってハミルトンは、不遇の時期を次のように振り返ったのだった。

「…もういちどあのときのようにやりたい、と思うほどに、うまくいかなくなりました。それでもムキになって、あきらかに狙えない状況から何がなんでもピンを向いて打ったり、初日の1番ティから早くも『勝つぞ』と意気込んでみたり。スランプに陥ってから、常にその場の状況に合わないことばかりを、やっていたんです。
でも、□(四角)はどう頑張っても絶対に○(丸)にはならない…。この歳になって、やっとそのことに気がつきました」。

2000年にはシード落ちの憂き目を味わった。自棄になり、母国ツアーへの参戦さえ諦めかけた時期もあった。
そんなドン底の状況から、死に物狂いで這い上がってきたハミルトンは、今年いよいよ大きな夢をかなえた。

昨年のファイナルQスクールで今季米ツアーの出場権を手に入れると、3月のホンダクラシックで初優勝。7月の全英オープンでは、プレーオフの末にアーニー・エルスを下して頂点に輝いた。

メジャー初制覇の優勝インタビューで喜びを語ったあと、ハミルトンはこう付け足すのを忘れなかった。
「僕がここにいられるのは、日本ツアーでの12年間があったからです」。
日本が生んだメジャーチャンプが、今週、思い出の舞台に帰ってくる。

※今週のダンロップフェニックスは今年の全英オープン覇者・ハミルトンのほか、米ツアー4勝のカルロス・フランコ(パラグアイ)、K・J・チョイ(韓国)ら、日本ツアーから世界へと羽ばたいていった3選手が、凱旋出場を果たします。

なお、ハミルトンの今大会出場は13年連続13回目(過去最高順位は99年の19位)、フランコは7年ぶり4回目、K・J・チョイは、2年ぶり2回目の出場となります。

Todd Hamilton(トッド・ハミルトン)
1965年10月18日生まれの39歳、米国出身。通算16勝、うち米ツアー2勝、日本ツアーは11勝。今季の賞金ランキングは11位

Carlos Franco(カルロス・フランコ)
1965年5月24日生まれの39歳、パラグアイ出身。通算29勝、うち米ツアー4勝、日本ツアーは5勝。今季の賞金ランキングは29位

K.J.Choi(チェ・キョンジュ)
1968年5月19日生まれの36歳、韓国出身。通算8勝、うち米ツアー2勝、日本ツアー2勝。今年のマスターズで、優勝争いの末に3位に入るなどK・Jの活躍がいま、母国・韓国に空前のゴルフブームを起こしている。
  • 韓国の英雄、K・J・チョイ

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