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フジサンケイクラシック 2000

「16番のティショットで、選手みんなの心拍数をはかってみたい」飯合肇

きょうは、16番のイーグルが大きかったね。このおかげで、17番、18番をうまく切りぬけられたって感じ。昨日はせっかく16番でミスしないで行って、それでも3連続ボギーだったでしょう…。だから今日は「初日だからいいやっていう気持ちはよくない」と思ってやっていたらイーグルが出たから…これは今日の1番の好結果かな。16 番の第2打の残り距離は110ヤード。4番アイアンでちょっと大きいかなって思う部分はあったんだけど、ライが前上がりのキツイところだったからね。2メートルにつけたのが入っちゃった。
 今日は16番で右にピンが切ってある(手前から10ヤード、右から5ヤード)のを見たときに、100%バーディ取らないといけないって思ったから。左だったら、警戒して右に逃げたりするけど、あの位置だと逃げようがないと思って、強気に行ったのがイーグルを生んだのかな。
 今日もまた、1番でボギー発進で、昨日の最後3ホールのボギーから考えたら、4連続ってことになるんだなって思って、「じゃあここからまたスタートしていこう」って気持ちに持っていけたのが、リラックスにつながったのかな。昨日は4アンダーまで行って結局、1アンダーまで落っこちたんだけど、1アンダーっていうのは決して悪いスコアではなかったし…
 今日もまだ、「昨日は4アンダーまで行ってたのに」とかいうふうにひきずったままだったら、今日の1番のボギーもショックだったと思うけど、これからまだ、4番とかでひとつ2つ取っていければ、2アンダーくらいにはできるかなっていう感じで、妙に焦りはなかったんだね。
 9番とか10番とか11番とかもバーディチャンスだったんだけど、入れたいなと思いつつもはずして、でも、なんとなく気持ちに余裕がある感じで。13番では、ちょっと嫌がったらボギーが出たんで、「ああ、やっぱりこういう気持ちでプレーしたらダメだな」って。嫌なホールこそ、きっちりしたゴルフしないとすぐに結果が出てくるからね、ここのコースは。気持ちにメリハリつけないと、ただ行けばいいってもんじゃない。ピンの位置もけっこう厳しいところに切ってくれているし。
 昨日は風が異常にあって、でもその中で自分のイメージどおりのゴルフはできていた。今日は16番は「ほとんど無風状態だから」って気持ちでやっていたからね。それでもやっぱりアゲンストの風は吹いているんだけど。「コンディションがいいってことは、自分に有利」だっていうふうに考えてやらないと、怖いんだ。実際、16番は怖いホールなんだ。イーグルもでるし、7も8も出る可能性のあるホール。でも、気持ちの持ち方でかなり違う。気持ち的に拒否せずに、いかに勇気を持って打っていけるか、だよ。
 いつも春先、日本プロくらいまで成績が出ないんだけど、ちょっと先週あたりから良いショット打ててるし、良い感触はあるんですよ。
 だからあとは自分のなかの組み立てが、どれくらいあとできるか。去年はよみうりオープンまではなかなか調子がでなくって、開幕戦から自分のペースを掴み取るのが、以外とヘタなのかなって感じたりして。毎年、だんだん遅くなってきたね、仕上がるのが。今年の開幕戦も自分では良い感触はあるのに、ああいう結果になったし(初日2位に立つも、崩れて31位タイ)。
 川奈は、何度もまわっているから、打っていいところ、ダメなところはわかっています。…ショットの面はわかっているんだけ、ショートパットのバーディパットでパンと打ってって70センチくらいオーバーしちゃって、逆目のフックになっちゃたりとか、そういうところはやっぱり一瞬、手がビリっとしちゃったりってことは何回もある。
 そういう怖さは、しょうがないものではあるんだけど、1番、緊張するところでもある。自分ではいいバーディパットをしたつもりでも、オーバーして今度は逆目のギャーッとしたの見たときに、手の震えがくるっていう、ここはそういう戦い。手が緩んだパットしたらペロってはずれてしまう。そういうのきちんと入れきれたら、そんなに大崩れもなく、優勝争いできるんじゃないかって思うんだけど。
 やっぱり、優勝争いになると、ショートパットを嫌がり出すと思うよ。ここはショットもよくなくちゃスコアでないけど、パットもカギ。4メートルから5メートルのバーディパットをしっかりOKに寄せるか、入れちゃってサッと終わってないと。打ちすぎたりショートさせたり、そういうことやってく間にゲームプランが変わってくる。自分の中で、コーライグリーンでの距離感がわかってないと、絶対にスコアは伸ばせない。
 それにしても、16番のティショットを打つときの、選手みんなの心拍数をはかってみたいね。みんな済まして打ってるけど、すごくドキドキしてると思うよ。昨日は風が強くて、ドキドキしてたと思うんだけど、今日なんかは、風がなくて、フェアウェーに打ったら楽に2オンできる。その部分で格闘するんだよね。逃げたら右のラフにいくか、ヘタしたら左のOB。ティグラウンドでどっちを選ぶか格闘してるんだ。でも、勇気をもって打っていけたら、選手として胸がはれる。それが醍醐味だよね、選手としての。口に出しちゃいけないんだけど、オレなんかフェアウェーに行ったら、思わず「あ〜よかった」とか言っちゃうから。悪いんだけどね、オナーがティショット打って、「よかった」なんて言ってたら(笑)。
 ここは経験が多いからっていって、余裕を持ってプレーできるというのはまったくないコースだ。そんなに経験のない若い選手にももちろんチャンスがあるし、相手が崩れるのを待とうなんて意識はまったくない。自分が追いかけていって刺そうっていう気持ちでやらなくちゃ。ただ、相手が自分のことを、有利だって思ってくれると楽だけど(笑)。あと2日間、バーディとボギーを繰り返しながらいくつ伸ばしていけるか。まあ、自分には期待してるんだけど。 

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