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ダイヤモンドカップゴルフ 2012

兼本貴司は「良いゴルフでトップを追撃出来れば」

4番からの4連続バーディもあり、スコアカードだけを見れば、絶好調のゴルフ。「凄く良いゴルフをしていると、思われがちだが、そうでもない。ティショットが凄く曲がっている」。

ボギーが先行した3番は、「ティショットが左に巻いた」。一度は林に飛び込んだボールは、何かに当たって「ころころと転がり出て来た」。ボギーでおさめられたことにはむしろ「運があった」。

4連続目の7番も「どヒールで打った」。前日2日目には「左にチーピンをして、素ダボを打った」というホールだ。鬼門のパー5もラッキーだった。「でも今日は左の山から“バナナボール”で戻ってきた」と、3打目はPSで3メートル手前につけて、ピンチが一転バーディに、胸をなで下ろした。

「安心出来るようなショットは、ドライバーでは打てていない」。
頼みの綱は、40代で使用するプロは極めて珍しいと言われるマッスルバックのアイアンだ。
今年42歳。
「確かに、膝や腰にはいろいろ来ている。でもヘッドスピードは、52と変わっていないし、まだ貫ける年と思っているので」。確かに見た目も、ゴルフも、そして気持ちもまだまだすこぶる若くて、この日は同組のカート・バーンズと、「アイアンの距離は、ほとんど変わらなかった」と、それもまた自信に。

もっと飛ばしたいと開幕から3戦はスピン量の少ないボールを使っていたが、「8番アイアンで200ヤードも飛んでしまうこともあって怖かった」と、ソフトな打感のボールに変える契機は、2週前の日本プロ。
尊敬してやまない中嶋常幸は、2009年の今大会でツアー初優勝を達成するきっかけを作ってくれた恩人とのラウンドで、「中嶋さんのボール、いいですね。ちょっと分けて下さい」。
譲り受けたボールで最終日を戦うと、距離感もばっちり合った。

この日は特に「5番ホールで安心出来た」。144ヤード手前のラフから、打ち上げのグリーンに対してピッチングウェッジで、横4メートルにつけて「久しぶりにいい球が打てた」。トレードマークの長尺パターも冴えていよいよ最終日に向けて、確信も高まった。

「ゴルフをしたくない症候群」にかかったのは昨シーズン。開幕から2戦目にして、「ドライバーも曲がる、アプローチも寄らない、パットも入らない」と、とことん不振に陥って、ランク72位で賞金シードを失った。

このオフは「年末のうちに、1年の疲れと垢を落として、1月から本格的な打ち込み。うち1週間は中嶋さんのスキー合宿にも加わった」と、スランプにもジタバタするわけでもなく、淡々と通年どおりのオフを過ごすことで、戦える状態に戻してきた。

3打差で、首位を走るのは藤田寛之。予選2日間を一緒に回って「この人には勝てないと思った。結構なミスをしてくれないと、自分は勝てない」。
それほど手強い相手と知りながらも、立ち向かう。
昨年は優勝争いにも一度も絡むことなく終わっただけに、「久しぶりなので緊張気味ではある。それでも明日までに調整をして、少しでも良いゴルフでトップを追撃出来れば」。
堅実ゴルフに、持ち前の攻撃ゴルフで対抗出来るか。

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