Tournament article

ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2012

吠えるすし

最終18番のバーディ締めは、ボギーなしの68で首位タイに浮上して、すしが吠えた。天に向かって咆哮した。見た目は元気いっぱいでも、実際は満身創痍だ。

「パットがダメで」。要因は先月、キャディバッグを翌週のトーナメントに送った際に、大事なパターがネックの辺りで曲がってしまった。

「4年も使い続けているエースパター」。
どうにか念力で、いや、自力で元にもどそうと試みたが、「ほんのちょっとが戻らない。困っています」。
スポンサー契約を結ぶショップの名をあげて「ゴルフパートナーで買わなくちゃ」とは、これも冗談で、メーカーに予備を3本、追加で用意してもらったが、「やっぱりエースにはかなわない」。

すっぱりと諦める勇気もなく、違和感を覚えながらも、この1本を使い続けているという。

「それで今日はノーボギーで回れた、ということもないのですが」。
もうひとつはサングラスの奥の右目だ。

出場権がなかった日本オープンの週は7日間とも、ほぼ寝て暮らした。
子煩悩な父が、家族サービスも返上して十分なほどの休養を取ったはずだったのに、「金曜日には角膜炎。いまも携帯電話の字が見えない」というほどのハンディにも、途中ではたと気づいて「目が見えにくいから、スコアがいいのか?!」。

それもまた冗談だが、「片目のパットは、難しいと思いませんか?!」と訴えた。
そんな状況でも首位タイに、「それでもゴルフが出来るのはありがたい」と、感謝の心で初Vに挑む。