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日本ゴルフツアー選手権 Citibank Cup Shishido Hills 2012

2週連続Vがかかる、藤田寛之

若干の不安は、スタートするなり吹き飛んだ。1番で左手前2メートルのバーディチャンスは「2カップ半くらいのスライス」。狙い通りに沈めると、2番は手前のエッジからのアプローチが直接、決まってイーグルだ。
最初の2ホールで一気にスコアを伸ばしたことで、「とても楽になりました」。
もともとパット巧者も前日初日はグリーン上で伸び悩み、「今日はどうなのかという思いが若干あった」という。

絶妙のアドバイスがあった。
コンビを組んで14年になる専属キャディの梅原敦さん。

入らない、とぼやく藤田に「パターを変えましょう」と梅原さんは言った。
「変えるほどのことではないのかな」と内心は思ったが、それでも「今使っているのでは、グリーン上でボールが少し、左右に揺れる感じがある。その点、マレット型なら安定して打てるのかな」と納得する部分もあったので、思い切って変えてみた。先ほど、米ツアーで優勝を飾ったリッキー・ファウラーと、同タイプのセンターシャフトだ。

相棒の意見を受け入れた甲斐はあった。
さらに「最近、なかなか良い仕事をする。最近、僕より冴えている」と、いっそう梅原さんへの信頼が高まったのは、6番。花道からのピンまで5ヤードは、少しベアグランドようなライで、ウェッジを握っていた藤田を梅原さんが制した。
「パターのほうが、いいんじゃないですか」と、これがまたもや当たってグリーン外からのバーディに、感謝しきりだ。「イメージが悪いときにパターを変えると、良くなることは確かにある」と、65のビッグスコアにつなげた。

先週のダイヤモンドカップに続いて今季3勝目のチャンスは実現すれば2007年に、谷原秀人が達成して以来となる、2週連続Vの快挙でもある。

まして、今週はツアープレーヤーNO.1決定戦。「メジャーですからね。強いと言われる選手が上位にいるべき」という本人もぬかりなく、そこに名前を連ねた。
そしてその中で、我こそが頂点に、という自信も満タン。
「ショット、パットともに非常に良いので」と、言い切った。
「まだ2日目を折り返したばかりですので、意気込まず、落ち込まず、自分のままでいければいい」。心技ともに充実しきった42歳が、週末の宍戸に挑む。

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