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日本ゴルフツアー選手権 Citibank Cup Shishido Hills 2012

上平栄道(うえひらまさみち)が「心技体は一番良い状態」

アウトの最終ホールは9番で、グリーンの右サイドから、11ヤードのチップインバーディを奪った。そして、インの最終18番では手前のバンカーから絶妙のパーを拾った。ピンそばの「ナイスパー!」。ギャラリーの喝采を浴びて、身長158センチの体を誇らしげにそらした。

「シード選手の中では、もっとも小さい選手」というフレーズだけが、上平のセールスポイントではない。
俳優の竹野内豊さんに、どことなく似ている。「大学時代にも、何度か言われたことあります!」と、ニコニコと頷く。「心技体は、今年一番良い状態です」と、ニコニコと言った。

先週のダイヤモンドカップは、最悪の状態だった。大会前日の水曜日に高熱が出て、棄権すら考えた。それでも無理して回ったら、初日に67で回って5位タイにつけた。
その足で、病院に駆け込み治療を受けて、回復とともに順位を下げたのは「なんでだろう」と、ニコニコと首をかしげる。

すっかり良くなった今週は、病み上がりのツアープレーヤーNO.1決定戦。
もともと、難しいコンディションほど頑張るタイプ。「我慢大会は嫌いじゃないので」。

昨年10月に、待望の第一子を授かり、「頭からゴルフのことが抜けて、煮詰まることもなくなった」。流行りの“育メン”は、「瑛翔(えいと)を風呂に入れるのは、僕の仕事」と、目尻が下がる。子守りは、日々の疲れや悩みさえ吹き飛ばしてくれる。
右袖の「8」のプリントは、「瑛翔(えいと)」を文字った父性の証しだ。

もっとも、3週前に「行ってきます」と、自宅を出たまま、ずっと息子を抱いていない。「嫁に写メを送ってくれ、と」。頼んでもやはり、それだけでは物足りない。
「ホームシックです。早く会いたい」。
来週、久しぶりの帰宅はどうせなら、大きな土産を持って帰りたい。

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