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〜全英への道〜ミズノオープン 2012

手嶋が、鈴木が!! ミズノ勢はベテラン2人も発奮

上田のほかにもベテランのホストプロ2人が好発進だ。43歳の手嶋多一が4アンダーの6位タイにつけた。きわどいパーを拾ったあとに、6番からの3連続バーディで「この雨の中で、出来すぎやね」と笑った。「明日からが本番」と、気合いを入れ直した。

46歳の鈴木享は、3アンダーの10位タイにつけた。今週、出場の11人のホストプロの中では最年長にもかかわらず、初日のスタートから「緊張した」という初々しさだった。

大会前日に、「この大会では優勝以外なら、要らない」とある意味で、V宣言とも取れる発言をした。20数年来ものあいだ、お世話になっているスポンサーには、もはやそれしか恩返しのすべがないとの思いから、言ったことであったが、「もともと、有言実行のタイプではないので」。

自らの発言に、早朝からの悪天候も加わって、「あんなこと言っちゃって良かったのか・・・」。自分で自分にプレッシャーをかけてしまった後悔が少し。いつものマイナス思考も頭をもたげた。
強い気持ちで振り払った。
「もう弱音は吐かないと決めたから」。

きっかけは、3週前。「日本ゴルフツアー選手権 Citibank Cup Shishido Hills」は2日目がサスペンデッドとなり、鈴木はカットラインぎりぎりで、15番からの4ホールを持ち越した。
「しかも、15番は崖下に落とした時点で止まってしまった」。

予選通過の条件は、残りホールをイーブンパーにまとめること。「あんな難しいコースでそんなのは絶対に無理だ」。
知人についこぼした。こっぴどく叱られた。
「お前はそこがダメだ、と。自分が傷つかないように、いつもそうやって予防線を張るのは悪い癖だ、と。なんでまだやってもないうちから自分で決めつけるのか、と」。

目が覚めた。翌早朝は「ピンチの15番でも必死でパーを拾って、4ホールともしのげた。自分もやれば出来るじゃないか」と、自信もわいた。

そして終わってみれば、最終日は29位と予選通過時点の最下位も免れて、この思いを強くした。「もう弱音は吐きたくない」。

ホストプロの重圧も、ひどい悪天候もしのいで、初日はひとまず好位置につけた。
後半は2番で19ヤードの3打目を、サンドウェッジでチップインイーグルに「大人げなくハシャいでしまった」。
インスタートの15番は、きわどいパーを拾って握りしめたガッツポーズに思いがこもった。

悪天候の好スタートに、改めて繰り返した。「この大会では、勝つしかないと思っているので。明日はまたゼロからという気持ちで。4日間を、疲れてきって終わりたい」。
ベテランのホストプロが、自身初という「有言実行」に挑む。

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