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日本オープンゴルフ選手権 2023

岩﨑亜久竜が逆転の初V。「有限実行してくれた」谷口徹の胸で号泣

後先見ず日本を飛び出した冒険の先に、歓喜が待っていた。

プロ3季目の岩﨑亜久竜(いわさき・あぐり)が逆転V。

悲願の初優勝をビッグタイトルで飾った。



この日は、3打差の7位タイから出て8、9番共にピンそばの連続バーディ。

首位の平本を捉えて接戦を始めた。


後半13番から立て続けにきわどいパーセーブを続けてじわりと突き放すと、15番でまたベタピンバーディ。

終盤は、14番パー3でスーパーショットを打つなど1差で迫ってきた石川遼と競り合いになったが、1差で迎えた18番で右の林の中から会心の一撃が飛び出した。


247ヤードの2打目で逃げずに、4アイアンで2オンチャレンジ。
ピン右手前に乗せると2パットのバーディを奪った。

通算8アンダーで2打差をつけて、すぐ後ろの組の石川のプレーを待った。


3打目勝負の石川のアプローチが外れたのを見て、仲間が次々と抱きつきに来た。

大勢の中に、大ベテランの顔を見つけると、その胸になだれ込み号泣。



コースから車で10分のところに住む谷口徹(たにぐち・とおる)がわざわざ岩﨑を応援に来ていた。

岩﨑は、目をかけている若手の一人だそうで、昨季賞金3位の資格で欧州・DPワールドツアーを転戦し、苦労を重ねていた岩﨑のことも応援していた。

前半の戦況を見て、駆けつけ11番から観戦。


谷口が男子ゴルフでロープ外を歩くのは初めてだそうだ。
「あいつ僕のことをパパって呼ぶんです。昨日もラインでパパ、頑張るよって。有限実行してくれた」(谷口)。
55歳の目からもとめどなく涙がこぼれた。


石川は2打差の2位。
単独首位で出た平本世中は5打差の3位タイに終わった。