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アジアパシフィックオープンゴルフ選手権競技キリンオープン 2000

中断2回、雷雨にまじってなんと雹(ひょう)も降る荒天

午後1時。雨の気配をはらんだ突風が、コースを吹きあれた。クラブ選択を迷う選手たちをあざ笑うように、風は時間をおって強くなる。
そして13時22分、雷雨接近。コースにサイレンが鳴り渡り、競技は一時中断された。

その直後、雷雨にまじって人々の頭上をたたきつけたのはなんと雹(ひょう=写真1)。低くたちこめる雲は、5ミリ大の白い塊をコースにばらまき、約10分後、それは冷たい雨にかわった。
雹のあと、気温は急激に下がり、午前中のポカポカ陽気がうそのよう。1時間18分後の 再開にも、半そで姿だった選手たちはその気温差に悲鳴をあげることとなった。上着を用意していなかった選手は途方にくれる。

15時48分、再び雷雨接近。雷鳴が鳴り響く。2度目の中断。その時点で最終組はまだ6ホールを残していた。
この日の日没予定時刻は18時20分。16時30分までに競技が再開できなければ、日没サスペンデットもありうる。そうなれば、残りホールは、翌日月曜日の予備日に持ち越されることになる。
 大会本部に緊張が走った。競技委員、大会スタッフが召集され、今後の対応が協議される。そのまま中断か、再開か。
天気エコーとコースの状態、プレーの進行状況を照らし合わせ、話し合われた結果、「今日のうちにできるだけ、プレーを消化する」(大橋一元・競技委員長、日本ゴルフ協会=写真2)と決定。

 16時20分、試合再開。
 18番グリーンの観客スタンド裏には、陽が落ちたときのためにグリーンを照らす大型ライト(=写真3)もスタンバイされていたが、使わずに済んだ。
迅速な判断と、決断力に支えられ、17時45分すぎに勝者が決まった。そのとき、チャンピオン・片山晋呉の顔は美しい夕焼けに照らされていた。

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