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パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップ 2022

“タイガ”一番乗り @蟬川さん「どのタイガにも負けないぞ」

@タイガの原点は、1歳時に父親の佳明さん(61歳)がおもちゃ量販店「トイザらス」で買ってきたという、アンパンマン柄のゴルフクラブだ。

「杖代わりに立って、バンバン壁をたたいたりするので、ちゃうわ、こうや、いうて打たせたら、これが上手いこと打ちよるんですわ」と、佳明さんは回想する。


そのうち、佳明さんめがけて球を打つようになり、頬に命中してこりゃたまらん、と練習場へ連れていくと、これまた「練習熱心」で、おもちゃのクラブをたびたび破壊。

そのたびに泣きわめくので、佳明さんが仕方なく買い換えに走り、また壊しの繰り返しで基礎は磨かれた。


3歳でショートコース、4歳で本コースデビュー。
保育園時にはジュニア用クラブを持ち、小3で初試合。


佳明さんもハンディ5の腕前だったが、兵庫教育大付属中学から大阪の興国高校に進むと、遠征や練習場の送り迎えなど「タイガにべったりで、ゴルフや試合の誘いを断るうちに、僕の友達がおらんようになった」と、恨めしげに言ったが、仙台の東北福祉大に進んだ息子が寮生活から帰省するたびに、ひとり立ちの成長を、肌身に感じていた。


「今週も生意気なことを言いよるんです。試合を見に来てくれたお客さんは、選手が刻んでいるのを見て面白いのかな、と。好きにせーや、と言いました」と、300ヤードの飛距離を駆使してアグレッシブに勝ちきった息子が誇らしそうだった。


優勝の瞬間「タイガ!タイガ…!」大声で息子さんの名前を叫んでいたお父さん。おめでとうございます。


泰果の「タイガ」は「海外でも通用するような名前を」と、最初は「ジョージ」も候補に挙がったそうが、当てはまる良い漢字が浮かばず、ちょうど全盛期だったタイガー・ウッズの名前を引用した。

「僕も、タイガー・ウッズが憧れです。そこは、変わらない」という息子も本家をこよなく尊敬し、「泰果」の名前に誇りを持つ。


いま、予選会QTなどすべてを含めて男子ツアーに一度でも出た登録選手の中で、「タイガ」の名を持つ選手はタイガー・ウッズをのぞいて19人いる。
その中で、大学先輩の杉原大河(すぎはら・たいが)が2年生時の2019年ABEMAツアー「石川遼 everyone PROJECT Challenge Golf Tournament」で当時、史上3人目(現在は蟬川さんも含めて7人)のアマVを達成したが、レギュラー優勝は蟬川さんが一番乗り


「こうしてプロ入りを目前にして、注目される立場になり、プロゴルファーはエンターテイナーだと思うので。どの“タイガ”にも負けないぞ、という気持ちは芽生えています」。

胸を張って“和製タイガ”を牽引する。


※当初、タイガ関連で内容に誤りがございました。タイトル、本文ともお詫びして修正いたします。申し訳ございませんでした。


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