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サン・クロレラ クラシック 2012

プロ3年目の中西直人が4位タイに

2日目は、ボギーなしの67で回ってきた。「ティショットは相変わらず曲がっているんですが」。その分、アイアンの距離感で、カバー出来た。

“師匠”のおかげだ。「トップのポジションが高くてクロスしていたのを、レイドオフのイメージで振るようにしろ、と。谷さんに教わった。おかげでクリーンに当たるようになった」と感謝する。

“弟子入り”したのは5年前だ。「ファンです」と、一方的に押しかけた。大阪府出身。地元関西で行われていた「マンダムルシードよみうりオープン」で、観戦に来ていた当時15歳の中西を釘付けにしたのが“谷さん”こと谷原秀人だった。

人だかりの練習場の真ん中で、ギャラリーへの紳士的な振る舞いに、心をわしづかみにされた。ましてその週末には、ツアー初優勝を飾った。その実力もさることながら魅了されたのは「谷さんの男気」。高3で出場したつるやオープンでは岸和田の自宅に招くなど、親交を深めていった。

「本当に面倒見がよくて。一番、お世話になってる人」。
デビュー年の昨年からプロギアとクラブ契約を結んだのも、谷原の口添えがあったからだ。「ウェアも、谷さんと一緒です。上から下までまねしている」。
それほどに惚れ込みながらも、憧れの人のサインを1枚も持っていないのは、「凄く尊敬はしているけれど、勝ちたいから」。
ただ崇めているだけではない。いつかは超えたい存在として見ているから。
その谷原にこの日は1打リードで4位タイ。

昨年のファイナルQTは、ランク3位の資格で本格参戦の今季は、序盤こそ歯がゆさでいっぱいだった。ルーキーの藤本佳則は、「幼なじみといってもいい」。小学生時代から、競い合って来たライバルに先を越されて、「地元では、彼と比べられたり、俺もどうして同じようにやれないのか、と思ったり」。

不甲斐ない成績に、焦りばかりを感じていたが、「彼が出来るのだから。俺にも出来るはずと、プラスになることもある」と、そう気づいてからは、マイペースでプレーが出来るようになった。
「それと人に頼り過ぎていた部分もあったと思う」。

開幕から帯同キャディをつけていたが、「ミスをしたら、人に当たってしまう」と、今週は小樽のハウスキャディさんをつけて、「ミスは全部、自分のせいにしよう」と決めている。
1試合ごとに確実に成長をとげながら、栄光への階段をのぼっている。

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