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ウッドワンオープン広島ゴルフトーナメント 2007

井上信が単独首位

今季不振にあえいでいた選手が、いきなり人が変わったようなゴルフだ。この日初日は、ラフに入れたのは2ホールだけ。「フェアウェーから打ったショットは、ほとんどチャンスについた」。今週、思い切って変えた、テイラーメイドの新パター「ロッサ ツーリズモ」もハマった。前半の3番で7メートルの長いバーディパットを決めるなど波に乗り、後半の12番から4連続。

最終18番こそ深いラフからバンカーに打ち込みボギーを打ったが、7アンダーは単独首位だ。

今季初の予選通過を果たした先週のUBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ。
その最終日で11番までに10オーバー打っていた。
ラフが生い茂る難コースで「久しぶりに予選を通り、フェアウェーに置こう、置こうとしすぎていたかもしれない」。それでますます曲がって悪循環。
「どうせラフには入るのだから思い切って行こう」。

ふと気付いて、良い意味で開き直ったのが良かった。残り7ホールで5バーディを奪った。31位につけたのが「自信になった」。引き続き、今週初日の好スコアにつながった。

今季は開幕から「ゴルフの病気」だった。
「早く結果を出そうという焦りから、ショットがしっちゃかめっちゃかで」。
間に棄権1、欠場1回を挟んで6試合連続の予選落ち。
2004年に史上3人目となるマンデートーナメントからのツアー初勝で、一気に増えた預金も「口座のお金が減ってきて…そろそろやばいな、と思ってた」と、冗談交じりに苦笑する。
それだけに、「どこかで弾みをつけたい」との思いは切実だった。

周囲にも心配をかけた。
午前スタートの井上のもとに、さっそく飛んできたのはこれから午後スタートを控えた練習仲間の矢野東だ。
肩をドンっと叩いて「マコ、やっと調子が上がってきたな!」。
嬉しそうに頷きつつ、本人はまだ少し半信半疑だ。
「僕の場合、ここから予選落ちもありえるから。気を引き締めていきたい」。
そんな嫌な予感を、懸命に振り払う。
「今週は、絶対に通らなくちゃいけないから」。
翌6日(金)は矢野の誕生日。きっとその日の夜は、ちょっとしたパーティになるだろう。
週末もしっかり上位で居残って、祝福の輪に加わりたい。

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